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病理学的代謝


筋肉の病理学的硬結





筋肉が疲労しているというと乳酸が蓄積しているのだということは皆さん承知の通りと思います。しかし、何故痛みが発生するのか?と、言うと詰まるところかと思います。そこで、これを病理学的に説明しますと、筋肉すべてに乳酸が発生するわけではなく特に筋腱移行部付近で発生することが多くなります。
これは赤筋などで多く存在するミオグロビンが筋肉中央付近は白筋でも多く存在するのです。しかし、腱移行部付近は極めて少なく血行が不順であると言えるからです。そして乳酸の蓄積した筋とそうでない筋との間に境界があり疲労の起こっていない筋が収縮するとその境界は牽引されます。逆に疲労の起こっている部分の収縮はほとんどなくその牽引によって、突っ張り感や痛みとなり、牽引力に耐えられなくなると断裂を引き起こし激痛を伴います。また重傷度の高いものであれば出血を伴うものであります。アキレス腱断裂は筋腱移行部で発生しやすく通常の最大牽引力は5tといわれていますがテニスなどで踏ん張った拍子にアキレス腱断裂を起こしてしまうのは実際5tもの牽引力は発生せずにせいぜい 0.2 t( 200 kg)ほどの牽引力だそうです。つまり、疲労した筋腱移行部は乳酸蓄積の為、古いゴムの様に小さな牽引で切れてしまったと考えられます。実際アキレス腱断裂や肉離れを起こした患者さんの殆どが準備体操などの怠りによって引き起こされているようです。

さて、ここまででも、患者さんにとってはかなりの説明になっておりますが我々にとっては物足りません。もっと、患者さんに納得してもらいましょう。なぜなら、患者さんは疲労は乳酸が蓄積したものだと、言うことがわかってしまったのです





興味のある患者さんはなんでも質問してきます。「何故乳酸が溜まるの?」ある先生は「疲労するからです」と、答えます。「じゃあ、何故疲労するの?」と聞かれて「乳酸が溜まるからです…」「だからぁ〜なんで乳酸が溜まるの?って聞いているのよ!」「いや、だから、疲労するから?」こんなすばらしい問答はありません。堂々巡りというやつですね。いくら、生体はフィードバック機構があるといっても坊主の問答のようにフィードバックしては話になりません。




 

そこで、必要なのが生化学的な代謝機構です。





しかし、これは、非常に難しく患者さんに理解を求めるにはたくさんの説明が必要です。しかしポイントを抑えながら説明しますと理解できると思います。しかし皆さんには確固たる自信と理解を深めなければ説明をしても自分でも良くわからないと言った説明になりがちなので、まずはしっかり理解をして戴く為に出来るだけわかりやすく説明します。

 


お話の舞台であるエネルギー生成工場として、細胞基質では解糖系と言う嫌気的代謝経路があります。そして、ミトコンドリアでは TCA サイクルと言う好気的代謝経路が存在します。

ミトコンドリアの構造としましては外膜、内膜、クリステ、マトリックスと言った構造を持っています。実際の姿は変幻自在でいろいろな姿をしています。



細胞の構造としては以上にしておきます


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