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スポーツとの関連性


スポーツ選手との関係

 

 次にスポーツ選手との関係について少しお話しましょう。特に陸上競技の選手は筋肉の構造上、白筋と赤筋の量に左右されるのは自明の事です。短距離走は白筋を長距離走は赤筋をと言う風に必要な筋肉が決まっています。 100 mの短距離走の選手は白筋が特化してあるので 100 mを殆ど呼吸なしで走っています。





 つまり白筋は血管分布が悪く酸素の供給がわるくその代わり強大な力を発揮することが出来るという筋肉だけで走っているのです。その為走り終わった後は酸素の補給の為呼吸がやたら荒くなり筋肉の乳酸を分解促進しようとしているのです。逆に長距離走の選手は赤筋を持っているので血行がよく酸素の供給がうまくなされ長い間ゆっくり走れると言う利点を持っています。どちらにせよ乳酸は蓄積しますので良い選手ほど血行の回復を早めに行ってやるのが得策と思います。

 少し、細かい話をしますと、先ほど病理学的硬結の所で話に出ましたミオグロビンなのですが、このミオグロビンは酸素の運搬と貯蔵を目的としています。特に赤筋に多く存在します。遅筋とも呼ばれる赤筋ですが、この赤筋はミオグロビンが多いゆえに好気的な環境が整っています。しかも、ミトコンドリアが白筋よりも多く存在している筋肉です。つまり好気的な環境では長く長く筋肉の運動を行えるというわけです。しかも、赤筋の細胞は解糖はもちろんの事脂肪酸までもエネルギーに変えてしまうのです(ベータ酸化)。赤筋を有効に鍛えることができればダイエット効果も万全です。





 逆に白筋は脂肪酸をエネルギー化することが殆どできません。つまり、ボディービルダーにはダイエット効果は薄いと言える事になります。ボディービルダーは実際、試合前に極端な減量をします。筋肉を美しく見せる為、脂肪を落とすのです。しかし、その為、試合当日は立っているのもやっとで、舞台でエネルギーを使い果たしミオグロビンの少ない白筋は嫌気性代謝の解糖でしかエネルギーを得ることが出来ないのです。好気的エネルギー生成が出来ないと言う事は乳酸がやたら蓄積してしまうと、言うことに直結します。よって、筋肉内は乳酸で一杯になり少しでも乳酸を減らすため筋肉を好気的状態にしようとするため極力筋肉の動きを減らし呼吸を荒くして酸素の補給に勤めます。しかも、強大な白筋の乳酸を代謝するにあたって酸素がかなり必要になるので脳に酸素が欠乏してしまうというランナーズハイとよく似た症状もボディービルダーには現れるそうです。

 まだまだ、私にもわからない部分が多いのですが乳酸を完璧に理解できたらトレーニングプログラムの立てかたも変わってくるのではないでしょうか。

 次にエネルギー効率の面で言うと選手に試合前日や当日に肉や魚を食べさせるのは得策ではないと思います。





 何故ならエネルギー効率が悪くなるからです。そもそも、筋肉のエネルギーはATPです。これの元となるのは糖でありますから炭水化物などがよろしいと思います。肉や魚を食べてしまうとタンパク質を補給したことになりそれは窒素化合物でありますから肝臓で代謝する必要性が出てきます。つまりエネルギーであるATPが肝臓にとられてしまうのです。よく、肉や魚を食べた後は眠くなるのがそれです。肝臓のオルニチン回路が活動すると肝臓はタンパク質の代謝にエネルギーをたくさん用いてしまいます。その為他の機能を極力落とすという反応を示すのです。試合ではあまりいい結果は期待できなくなるでしょう。よって、うどんなどの炭水化物を取らせるのが得策となる訳です。

 

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