10 周年を迎え思う事は「もう？」思えば平成 6 年 12 月に開業し緊張と不安が交互にやってきて、 3 週目にして 39 度の熱発。意識朦朧としながら休診を決断。幸いにも一日半で回復し、患者さんからお見舞いの言葉を戴く始末。情けないと思いながら患者さんに生かされている自分に気が付き頑張らねばと再認識させられました。そんな私も 6 年半で接骨院併用住宅を持つことが出来ました。丁度その頃、夜の 11 時半ごろに電話がかかり、聞くと自宅で転んで肘が腫れて動けないと言う。早速、往診鞄を片手に馳せ参じ、診ると後方脱臼。整復すると、患者さんに「楽になった」と豪く感謝され、頭を掻く。「固定しましたから、明日は歩いて来てくださいね」と、言い残し自宅へ帰る。気が付くともう深夜 1 時。脱臼も骨折も何十回と整復しているが、今回は興奮して眠れません。「あの患者さんは最初に私を思い出してくれた！」やっと、地域に定着したと思える瞬間でした。それからも、休日や、深夜でも患者さんからの電話があります。緊急時に浮かぶ顔、それが私の顔。「責任の重さは計り知れないが必要とされる事はこの上ない喜びでもある」患者さんに生かされていると言う事を私自身に言い聞かせながら「もう？ 10 周年」を迎えたいと思っています。

おかもと接骨院　岡本　透

木島病院10周年記念に際し記念誌を発刊しその紀行文を依頼される




『私と木島病院』

岡本　透

木島病院移転 10 周年、誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げると共に歳月の進みの速さに驚いております。

ふりかえると旧木島整形外科病院から、新木島病院へ移転する前、既に私は接骨院を開業する事が決まっており、新病院で働く事が出来ないと思っていましたが、木嶋理事長先生や竹内院長先生のご好意により、しばらくの間働く事が出来ました。これは私にとって大きなプラス要因になっており非常に感謝致しております。

当時、「元気になる病院」と銘打って、北陸初の療養型病棟や最新の医療機器等、あらゆる物が改善・改革されました。これもすべて患者さんに元気になってもらう為の 1 手段に過ぎず、何よりもこの改革がスタッフ 1 人 1 人の意識改善にも役立ち、病院を良くして行こうと言う向上心への更なる点火剤になったのかと思います。それゆえに本当の意味で患者さんから噂される｢元気になる病院｣になった訳です。

竹内院長先生は 10 周年を向かえても尚、ＩＴ委員会なるものを作り改革を推し進めようとしているらしいと小耳に挟みました。更なる改革と更なるスタッフの向上意識こそがこの病院を良くしていくのだと思います。

常に見習うべき存在が木島病院であるからこそ、我々柔道整復師もそれに少しでも近づこうと向上できるのだと感じて止みません。そんな木島病院の一スタッフであった私も接骨院を開業して 10 年目に入っております。私もまた更なる向上意識を持って日々の業務に励み「元気になる接骨院」と患者さんから言われるよう頑張りたいと思っています。